髪の毛の変化が気になる方へ。AGA(男性型脱毛症)は成人以降にみられる一般的な脱毛症のひとつです。本記事では、AGAの基本的な知識や関連要因について、一次情報に基づきわかりやすく解説します。気になる症状がある場合は、早めに医療機関で診断を受けることをお勧めします。
AGA(Androgenetic Alopecia)は、男性型脱毛症とも呼ばれ、思春期以降に発症しうる進行性の脱毛症です。男性では前頭部(生え際)や頭頂部の毛が徐々に細く・短くなり、抜けやすくなるのが典型で、側頭部や後頭部は比較的保たれます。
AGAには遺伝的要因が関与します。多因子的で、特にアンドロゲン受容体(AR)遺伝子の多型などが報告されていますが、遺伝素因があっても必ず発症するわけではありません。
テストステロンが5α還元酵素によりジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、毛包の感受性の高い部位で成長期が短縮することが病態に関与すると考えられています。
AGAは思春期以降に起こりうる一方、年齢とともに目立ちやすくなる傾向があります。
※上記は健康全般の推奨です。AGAの進行抑制・改善に対する直接の効果は個人差が大きく、別の脱毛症(例:強いストレス等に伴う休止期脱毛)と鑑別が必要です。
薄毛が気になる・急に毛が抜けるなどの変化がある場合は、まず皮膚科等で医師に相談してください。適切な診断と、必要に応じた治療や生活上の助言が受けられます。
国内で承認された医薬品の例として、フィナス(内服、5α還元酵素Ⅱ型阻害薬)、デュタス(内服、5α還元酵素1/2型阻害薬)、ミノキ(外用、一般用医薬品・第1類)が挙げられます。
これらの治療はすべての人に有効とは限らず、使用を中止すると効果が失われるなどの特性があります。治療選択やリスク説明は医師と相談しながら進めてください。
※内服薬(フィナス/デュタス)は男性のAGAを適応とし、女性や未成年への適応はありません。取り扱い上の注意も含め、添付文書の確認が必要です。
AGAは、遺伝素因とアンドロゲンの関与により、特有の分布で徐々に進行する一般的な脱毛症です。健康的な生活を心がけつつ、気になる場合は医療機関で診断・相談を受け、承認薬を含む選択肢を専門医と検討しましょう。